
頭痛症例10「生理に伴う頭痛」
||患者:女性 30代 ||来院・通院間隔:2018年4月・週1~2回 ||来院回数:1回
症状と来院理由
妊娠の時以外、ずっと生理痛がある。これまでロキソニンを飲んで痛みをしのいできたが、最近は飲んでもあまり効いた感じがしない。
また、肩の張りが強く、生理前などは触るだけでも痛い。
頭痛は側頭部が中心、腹痛は主に下腹部に集中していて吐き気も伴う。
治療と経過
生理に伴う頭痛は、まず腹部の環境と深く関係していると考え、腹診から行う。
腹部全体に張り感が強く、圧痛も強い。
大腿部のツボと足首のツボに鍼治療を行うと、腹部の張り、痛みは消失。頭痛と吐き気は、頭痛は半減、吐き気は消失した。
肩の凝りも強いこともあり、骨盤と手、背中のツボに鍼治療を行うと頭痛、肩こりは解消したので治療を終える。
<その後の経過>
生理は治療の3日後に来た。頭痛は少しあったが腹痛はほとんどなかった、とメールで連絡があった。
生理痛予防と体調ケアのために月2~3回、現在通院中。
同時に治療した症状
なし
主に使用したツボ
足五里(R)、三陰交(L)、下髎(R)、聚労(L,R)、T3(0.5L)
考察
生理痛といっても症状は様々あるが、個々の症状に個別に対応するではなく、個々の症状の関連性を考えることがポイントとなる。例えば、腹部の張り、痛みと肩の痛みに対して「三陰交」を選んだ。三陰交は腹部を緩める他に肩を緩めることでも使われる。特に生理前などの頭痛では腹部の流れに滞りが起こり、そのために腹部を含めて、腰や肩など広範に影響が起こりやすい。
ただ、生理痛は周期の乱れを伴うケースがよくあるので、再発予防のケアも大切だと考える。
☆症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。