突発性難聴・耳鳴り症例8「低音の耳鳴り」
||患者:女性 50代 ||来院・通院間隔:2018年12月・週1~2回 ||来院回数:14回
症状と来院理由
来院の3ヵ月前から左耳に低音の耳鳴りが断続的にあり、夜も寝付きが悪く睡眠導入剤を毎晩、服用している。
耳鼻科の聴力検査では、左耳は低音域、右耳も若干低いと言われた。20年くらい前から左耳は耳管開放症を患っていることもあり、今回の耳鳴りはストレスが原因ではないか、とのことだった。
当院の耳鳴りの症状ページで肩や首のコリとの関連を知り、近くの整骨院に数回、通院したがかえって悪化してしまい来院。
施術と経過
耳管開放症については発症から年数が経過しているため、耳鳴りの改善を最優先に行う。
耳鳴り症状と関連が深い顎関節周辺から、首や肩のコリ(自覚症状あり)、股関節周囲のコリなどを確認する。
顎関節周辺と首のコリに対して手のツボと足首のツボに鍼を行い、コリは半減する。肘のツボに鍼を行うと更に緩む。
耳鳴りには変化は無いが、耳の周辺がポカポカする感じがするとのことで、1診目を終える。
〔2~4診(週2回通院)〕
耳鳴りは平均して開始前の2割減くらい、睡眠導入剤を服用しなくても眠れる日が何度かある。ただ、日により波がある。
〔5~8診(週2回通院)〕
耳鳴りを感じない日が出てくるようになる。耳鳴りを感じる時も以前の1~5割。仕事の都合で1週間おきの通院になる。
〔9診目(1週間後)〕
8診目以降、耳鳴りは0~2割になり、睡眠導入剤は1度も服用していない。通院を週1回間隔にする。
〔10~14診(週1回通院)〕
時々、数時間の耳鳴りを感じることはあるが、症状を感じない日が続き、症状は平均して0~1となり安定していることから施術を終了する。
元々、肩や首が凝りやすいので再発防止を兼ね、月に1~2回通院中。
同時に施術した症状
なし
主に使用したツボ
養老(L)、申脈(L)、聚労(L)、足三里(L)
考察
耳鳴り症状の既往がある方は少なくない。また、耳鳴り以外の突発性難聴、今回のように耳管開放症といった既往をお持ちの方もおられる。
経年により改善が難しい例も少なくない。ただ、症状を引き起こす体のクセをしっかりと見出していくことにより、改善を目指すことも可能になる。
☆症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。