肩凝り・頸肩腕症候群症例3「腕が重い」
患者
30代 女性 三芳町 -2016年8月来院-
症状
右腕が重くだるい(+のどの詰まり・胸焼け)
2・3週間前、右手首に筋肉痛のような痛みがあり、近所の整形外科を受診。腱鞘炎と診断されて湿布薬と鎮痛剤が投与された。毎日、湿布を貼り薬を飲み筋肉痛のような痛みは薄れるが、右腕全体が重くだるく、シャンプーなどで腕を挙げたままにしているのがつらい。痺れはない。
発症のきっかけは、スマホを長い時間右手に持ってゲームをしていた。また、子供を抱っこするとき、頭を右腕で支えることが多い(最近大きくなってきたので重く感じる)。
肩こりは慢性的にあり、右の方が凝り感が強い。いつもは辛くなるとリラクゼーションなどを利用する。ただ、今回はしっかりと治したいので鍼治療を決心した。
その他の症状
のどの詰まり、胸焼け
治療と経過
整形外科で「腱鞘炎」と診断されたが、肩や首、背中へ視野を広げて診察する。
腕の重さと関連が深い頸椎6番にしっかりとした反応があるため、手のツボに鍼をすると重さは7割改善した。
次に前腕の張りが残るため肩甲骨外縁のツボに鍼をすると張りが健側(左)と同等になり、圧痛も解消。
スマホを長時間持ち続けたことがきっかけだったので、強すぎる手の力の緩和を目的に活法整体の扇、肩凝り抜きを加える。
腕から肩の症状は逆に左(健側)の方が重く感じるくらいになる。
2回目(7日後)
腕のだるさ・重さはその後、感じることはなかった。肩凝りもいつもより楽に感じる。
肩や首周辺は疲れを取り除く程度で、腰海(LR)、大臀(LR)、鉤笠(R)に鍼治療。前回よりも良い反応が得られたので2週後の予約にする。
3回目(14日後)
少し忙しかったため、多少肩凝りを感じる。腕は以来気になることは無かった。肩凝りのケアのための鍼治療を行い終了とする。
その後、体調ケアのために2・3週間隔で通院中。
使用した主なツボ・整体手技
鍼治療:六谷(R)、大臀、腰海
活法整体:扇、肩こり抜き
考察
このケースでは、問診で内臓の不調もお伝えいただいたのでスムーズに症状が改善されたが、肩凝りと消化器系の症状は別々に考えられるのが一般的。肩凝りなどの慢性的な症状の場合、内臓との関連性にも視野を広げることの重要性を再確認する症例だった。