突発性難聴・耳鳴り症例3「ボーっとする耳鳴り・音がこもる」
||患者:女性 40代 ||来院・通院間隔:2017年8月・週1・2回通院 ||来院回数:3回
症状
来院の10日前、耳がこもる感じがあり耳鼻科を受診。「低音性難聴」と診断される。しかし、処方された薬の多さに疑問を持ち、また「ボー」っと耳鳴りが目立ち、別の院を受診する。処方された薬を数日服用するが効いた感じが無く、さらに大きな病院を受診する。いずれも低音性難聴と診断され、同様に処方薬を服用するが効果を感じなかった。特に左の耳鳴りが「ボー」とうるさく睡眠を妨げている。ネットを見て来院。
その他の症状
肩こり
治療と経過
当初、両耳に症状があったが現在は左耳が強く出ている関係からか左の首から肩、肩甲骨内縁(内側)の筋緊張が目立つ。特に肩甲骨内縁の一部は日頃から辛いとのこと。
顎周りを触診すると左の咬筋に緊張があるため「噛みしめの有無」を聴くと「気が付くと噛みしめている」とのこと。肩甲骨内縁の筋緊張との関係が深まる。
肩の広い範囲を緩める目的に腰と臀部のツボに鍼をする。治療前にと比べると肩・肩甲骨内縁の凝り感・痛みが解消する。
顎周りの緊張に対し仙腸関節のツボに鍼をすると肩甲骨の緊張は7割程度緩み、さらに顎周りのも緩む。同時に耳の症状が「少し緩んだ気がする」とのこと。
さらに顎の緊張を手のツボに鍼をして緩める。
ボーっとする音は消え音がこもる感じが半減するのが判りその日の治療を終える。
2回目(前回から2日後)
治療1時間後に「耳の奥の方で少しボーという音はあったが翌日には無くなってよく眠れるようになった」とのこと。音がこもる感じのみ残る。
前回と同様の治療とする。音のこもりは「だいぶ気にならない」とのこと。
3回目(1週間後)
その後、耳の症状は無く肩こりが少し気になるとのこと。
耳の症状の治療は終了とした。
現在、月に1~2回肩こりのメンテナンスで通院中
主に使用したツボ
膀胱兪(L)、大臀(L)、腰海(LR)、養老(L)
考察
顎関節症ではないが「噛みしめ」など顎へのストレスの蓄積が耳症状に影響することはよくある。首や肩の緊張を緩める際に顎周辺の緊張も併せて観察することが重要である。