肩こり・頸肩腕症候群症例8「PC作業をしていると右腕に痛み」
||患者:女性 50代 ||来院・通院間隔:2018年12月・週1~2回 ||来院回数:5回
症状と来院理由
来院の2カ月前からPCで仕事をしていると右肩から右腕にかけて痛みや突っ張りが起こるようになり、整形外科で「頸椎ヘルニア」と診断され、湿布を貼っていたが痛みは変わらず。
症状は二の腕から手首にかけてが特に感じる。PCの仕事以外では運転中にも感じる。それ以外ではあまり感じない。
腕の痛みで仕事が中断してしまうため困っている。
知人の紹介で来院。
施術と経過
症状は、肘が体幹部から離れた状態で起きやすいことから、両腕の重さが掛かりやすい頸椎6番周囲、肩甲骨周辺にも影響が出ていると考えられる。
触診すると首から肩へのコリが強いため、骨盤のツボに鍼をして全体を緩める。
頸椎6番周辺の右側に反応があるため、手のツボに鍼をし、しばらくすると腕の突っ張り感が解消。さらに、肩甲骨外縁のツボに鍼をすると腕の張りは改善する。この時点で腕の鈍痛は7割解消する。
ただ、首(頸椎3番辺りを中心に)から肩への突っ張りが残るので、ふくらはぎのツボに鍼をすると改善した。
2~3診(週2回通院)では、PC作業、運転においても症状は軽くなる。
4診目(1週間後)の当日、軽くなっていた症状が強く感じるようになる。加えて、歩くと右脚が重い感じがするとのことから、仙腸関節周辺と肩の関連が深いと考え、肩甲骨内縁に強い圧痛を確認し骨盤のツボへ鍼をすると改善した。
5診目(1週間後)、症状の発症なく過ごせたとのこと。肩こりの鍼施術を行い、終了した。
同時に施術した症状
なし
主に使用したツボ
大臀(R)、六谷(R)、築賓(R)、膀胱兪(R)
考察
整動鍼が誕生する大きなヒントとなったのは活法。その活法では、肩と股関節、肩甲骨と骨盤をセットで捉える。特にこのケースでは、座って腕を前方へ出している時に発症することを考えると、常に骨盤や股関節にも負荷が掛かっている。
発症時の状況を把握することの重要さを改めて思った。
☆症例について
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。