肩凝り・頸肩腕症候群症例2
患者
20代 女性 朝霞市 -2015年10月来院-
症状
右の首から肩にかけて吐き気がするこり
数日前から、普段の肩こりがより強く感じるようになる。また右の首・顔面・頭部にジワーとする重さを感じる。寝るときも肩周りの重苦しさが強く、睡眠不足。
近くの整骨院に行き、マッサージと電気治療を受けるが帰宅するまでに戻ってしまった。昨日はあまりの辛さから吐き気までした。
ネットを見て来院される。
治療と経過
肩から肩甲骨に掛けて広範囲で辛さを訴えているので、的を絞るため触診と首の可動域を詳しく診察し、首の動きでは、上を向く(後屈)動き、右を向く動きで可動域の狭さと痛みが確認できた。
まず、肩・肩甲骨周辺の緊張を緩める活法整体を3種類行う。重苦しさは半減した。
次は右肩甲骨内縁の部分に硬さと押したときの痛みが強いので、活法整体(肩甲骨廻し)でを緩めるが、デスクワークで長時間、椅子に座っているため、治療ポイントを「坐骨」に向ける。これも活法整体(坐骨切り)で行う。
すると、右の肩甲骨と右の肩を押したときの痛みはほぼ消失。硬さも本人がわかるくらいに緩む。
肩甲骨の特に内側に押したときの痛み(圧痛)が強く出る所のT2(4R)、手の後谿(R)に鍼を施し辛さは8割くらい楽になる。
上を向く動きで首に痛みが残るため、胸椎(胸の高さの背骨)の可動を調整する活法整体(後屈の調整)を加えると、動きと痛み改善。吐き気も治まったので終了。
2回目(4日後):仕事中の吐き気、右頭部の重さその後なかった。また重苦しさも通常のこりを感じる時と同じレベルになる。睡眠もとれるようになった。
前回と同じ内容の施術を行う。
3回目(更に7日後):重苦しい辛さは無く、いつもの凝りも感じなくなった。ただ、また起こるのが怖いのでメンテナンスを兼ねた治療内容となる。
以降、月に2回ほど、疲れを取るためのメンテナンスで通院中。吐き気を伴う症状は起きていない。
使用した主なツボ・整体手技
鍼治療:T2(4R)、腰海(R)、後谿(R)、
活法整体:坐骨切り、肩甲骨回し、扇、後屈調整
考察
凝りが強くなるとその部分に着目されがちだが、動きも同時に着目することで凝りの原因が解明されやすくなる。
また、デスクワークなどで座っている時間が長い、また座りながらどのような作業をしているのかを丁寧に診察することで、坐骨と肩甲骨に肩凝りを強くした原因が判る。凝っている部分だけではなく、原因にアプローチすることこで素早く症状を解消し、再発を防ぐことにもなる。